童話『アリとキリギリス』の中では、アリは冬に備えてせっせとエサを巣に運ぶ姿が描かれています。そんな話もあってか、道端でアリの行列を見かけると、「がんばれ!」と声をかけてしまいたくなるものです。しかしそんなアリが、実は全然働いていないと知ったらどう思いますか?

パレートの法則と働きアリの法則

イタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートが発見した「パレートの法則」というものがあります。これは、経済において全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論で、80:20の法則とも呼ばれます。例えばある企業の利益は、その企業の20%の製品で得られており、残りの80%の製品からは利益はほとんど得られていないという法則です。

このパレートの法則の亜種として「働きアリの法則」というものがあります。パレートの法則と同じく、20%のアリがせっせとエサを運んでいる横で、80%のアリはそこら辺を歩いているだけで全く仕事をしていないというものです。

実際にこの研究はされており、その結果「働きアリの法則」は見事にアリの世界で行われているのです。さらに働いている20%のアリだけを採取して新たなアリの世界を作ると、その中で更に80:20に別れるというから面白いものです。