1971年から販売が開始され、日本初のインスタントヌードルとして、販売開始から45年で400億食もの売上を誇る日清食品の「カップヌードル」。全世界中で愛され、今なお売れ続けている大ヒットセラー商品ですが、販売開始当初は売上は全く振るいませんでした。そして初めての大口顧客は食品業界とは関係のない、まさかの団体だったのです。

カップヌードルの誕生

当時は丼に麺を入れて熱湯を注ぐだけで完成する、インスタントラーメンの「チキンラーメン」が主流でした。丼をカップ容器に変更し、具材も完全調理済みで手軽に食べられるカップヌードルは、当時の消費者にはあまり評判はよくありませんでした。というのも、インスタントラーメンの4倍近い値段設定だったからなのです。

そこで日清食品は、市場調査を兼ねて警察関係者や消防職員などの24時間勤務の仕事をしている団体をターゲットに試験的に販売を開始。そして初めて大口顧客となったのが「自衛隊」だったのです。

その後も一般消費者には売れ行きが芳しくなかったのですが、発売翌年の1972年に起こった「あさま山荘事件」の中継放送の際、機動隊員達がカップヌードルを食べる場面が日本全国に生放送され、視聴者の注目を集めた事から一気に売れ行きが伸びたと言われています。