もはや国民的、いや世界的な漫画/アニメの代表作とも言える鳥山明の『ドラゴンボール』。物語中盤からは地球を滅ぼそうとする悪者を、主人公である悟空がスーパーサイヤ人に変身して倒すという流れが主流になっています。

強そうだから金髪ではない

悟空は元々は黒髪ですが、怒りに目覚めスーパーサイヤ人へと進化を遂げると、髪の毛は金髪になります。今でこそスーパーサイヤ人=金髪のイメージが定着していますが、本来は「面倒くさいから」という理由で金髪になったのです。

日本の漫画は基本的に白黒です描かれます。髪の毛が黒いとその部分を黒でベタ塗りしなければなりません。しかし金髪であれば黒く塗る必要がなくなります。これに対し作者の鳥山明は「アシスタントが悟空の髪を毎回ベタ塗りするのが面倒だというから」と公言しており、金髪になったのは面倒くささが理由だったのです。

他にも戦闘シーンでは直ぐに街から離れた荒野に移動するか、街そのものを破壊して荒野にしてしまうといった手法が取られるのも印象的です。また、漫画の効果技術の一つであるスクリーントーンの使用も、切り貼りするのが面倒だという理由から、極力使われていません。

アシスタントだけでなく、鳥山明自身も非常に面倒くさがりな性格をしているということですが、自分のミスなどによる原稿落としは一度もないというしっかりした一面もあります。