カニ缶詰を開けてみると、まず間違いなく白い紙が敷かれていると思います。他の缶詰には紙のような類のものは一切入っていないのに、なぜカニ缶にだけは入っているのでしょうか。

カニ缶に含まれる白い紙の意味

カニが高級食材であるから。身が崩れやすいから。これらの理由は残念ながらハズレです。

この白い紙は「パーチメント紙」や「硫酸紙」と呼ばれるものです。硫酸と聞くととても恐い印象を受けますが、製造過程で硫酸を使って加工することから名付けられたもので、実際に硫酸を含んでいるわけではないのでご安心を。しかし当然ですがこの紙は食べれるものではありません。

パーチメント紙で包まれている目的は「ストラバイト現象」を防ぐためです。ストラバイト現象とは、カニに含まれる成分と、缶の主成分である鉄が化学変化を起こし、ガラスの破片の様な結晶を作る現象のことです。

このガラスの破片の様な結晶は全く無毒であり、身体に害はありませんが、どうしても「ガラスの破片が入っているんだけど!」というクレームを生み出してしまいます。また、ストラバイト現象によってカニの身に黒い班点のような変色が起こることもあるため、身体には悪くないかも知れませんが、見た目には悪いこと尽くしなワケです。

ちなみにカニだけではなく、カニの他の甲殻類や、貝類などの缶詰でも同じくストラバイト現象が発生することがあります。