マーガリンは植物性油脂を原料とした、バターに似せて作られた加工食品の総称です。元々はバターが高価だったために考案された食品で、かつては人造バターと呼ばれていました。このマーガリンに関する健康被害が問題になっているのです。

マーガリンの危険性

マーガリンにはトランス脂肪酸が含まれ、問題となりました。トランス脂肪酸は心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを高めるとされ、WHO(世界保健機関)ではトランス脂肪酸の摂取量を、摂取エネルギーの1%未満にすることを勧告しています。実際に世界各国ではトランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けている国も多く、さらにはデンマークやスイス、アメリカの一部地域などではトランス脂肪酸の含有量そのものの制限をかけています。海外ではそれだけトランス脂肪酸に対する意識が高いのです。

日本ではトランス脂肪酸という言葉を聞いたことがあっても、それが何を意味するのかを理解していない方が大半を占めるでしょう。というのも、日本人のトランス脂肪酸摂取量は摂取エネルギーに占める割合の約0.3%で、WHOが勧告している数値の1%未満の範囲内に収まっているため、あまり問題視されていないのです。

トランス脂肪酸はマーガリン以外にもパン、ケーキ、ドーナツ、クッキーといったベーカリー、スナック菓子、生クリームなどにも含まれています。トランス脂肪酸が含まれる食品を口にしないことは難しいかも知れません。しかし少なからず人間の体には有害な物質であることは間違いないので、少しでも意識しておくと良いでしょう。