料理の「さしすせそ」と言えば、調味料の基本中の基本。砂糖、塩、酢、しょうゆ、味噌の事です。調理する際にもこれらの順番で味付けをするのが基本的な味付けの方法です。古くから伝え続けられる「さしすせそ」に、根拠はあるのでしょうか。

今回の雑学では、料理の「さしすせそ」の重要性についてご紹介します。

なぜ「さしすせそ」なの?

料理に下味を付ける際は、基本的に「さしすせそ」の順番で味を付けていきます。これを「サ行の原則」といいます。五十音順のサ行が、調味料の名前の順番に並んでいることは偶然なのか、はたまた必然なのか。なぜこの順番が大事なのでしょうか。

その答えは「浸透圧」という言葉にあります。

浸透圧を簡単に説明すると、二つの隣り合った溶液が同じ濃度になろうと作用する力の事です。
サ行の原則の中で最も大切なのは、固形物である砂糖と塩の順番になります。分子レベルで見ると、砂糖より塩の方が粒の大きさが小さいです。これにより、もし塩を先に投入してしまった場合、食材の中に塩分が隙間なく浸透していき、粒の大きい砂糖が後から入ってきても、受け付け辛い状態を作り上げてしまうのです。

味の違いはどうなのか

一つの料理に対して、砂糖と塩をサ行の原則に従って調理したもの、もう一方を逆の順番で調理したものの成分を分析した結果があります。この結果では、逆の順序で作った料理は上手に味が染み込まず、しょっぱさのレベルが高い数値が出ました。

今では科学的に根拠を唱えることが出来ますが、昔の人はこれを直感的に理解して料理を作っていたのでしょう。