ブラガンサ朝のポルトガル国王で、任命からたったの20分で国王の座を退く結果となってしまった人物がいます。彼の名はルイス・フィリペ。この出来事は「もっとも即位していた時間が短い王」としてギネスブックにも記録されています。一体何があったというのでしょうか。

史上最短の王位

じつは彼は王位に就くにあたって、正式な任命式などは行っていないのです。それは1908年2月のことでした。当時の王であり父であったカルロス1世や他の王族とともに、馬車で移動していた際、共和主義者の民衆によって馬車が襲撃され、父王は即死してしまいました。

この時点で息子であるルイス・フィリペが王位を継承したことになるのですが、彼もまたその馬車に乗っており、同様に重傷を負っていたのです。そして父が他界してから20分後、ルイスも息を引き取ったのです。これが「わずか20分の王」のカラクリです。

その後、襲撃されながらも無事に生き残った弟のマヌエルが王位に就き、王国は保たれました。