12~18世紀の中世ヨーロッパにおいて、人間に危害を加えるなどした動物たちは裁判にかけられました。この裁判は「動物裁判」と呼ばれ、有罪判決がでた件数は合計142件にものぼります。

動物裁判

動物裁判は、キリスト教において「罪を犯した物は、人間でも動物でも植物でも無機物であっても裁かれなければならない」という考えによって行われていました。代表的なものとして、次のような事例があります。

  • 14世紀、フランス – 赤ちゃんを蹴り殺した豚が絞首刑に。
  • 15世紀、李氏朝鮮 – 人を殺した象が島流しに。
  • 17世紀、フランス – 痒みで人を苦しめた南京虫が銃殺刑に。

近年では1974年のリビアで、人に噛み付いた犬が懲役1ヶ月の刑に処された事例もあります。どんなに大人しい生き物でも、必ずしも人畜無害であるとは限りません。ましてや防衛本能から人に危害を加えてしまう動物が、人間の勝手な思想によって罰を与えられるというのは、理不尽なことではないでしょうか。