大名行列といえば、お偉い方が長い列を組んで移動し、民衆はそれが過ぎるまで土下座でいなければならない。といったイメージです。列を乱すものは最悪の場合その場で切り捨てられるほどでした。

しかしそんな大名行列を横切ってもおとがめが無い職業が存在したのです。

今回の雑学では、大名行列についての豆知識をご紹介します。

大名行列とは

時代劇などでもお馴染みのシーン。その地の大名が公用のために家来などを引き連れて移動する際の行列のことです。行列の規模はおおよそ250人程度とのことですが、最も大きな規模では加賀藩の大名行列で、4000人にも及んだ事が記録されています。

民衆は大名行列が見えたらすぐにその場に土下座をし、行列が過ぎるまで顔を上げてはならない。というイメージが強いですが、実際はそうではありません。多くの大名家では、行列の邪魔にならないように道を譲るだけでよかったのです。また、土下座をするにしても、大名が乗った籠(かご)が通り過ぎる時だけでよいとされていました。

その行列の華やかさから、民衆には見物が娯楽の一つとなっていたようです。

ただし列の前を横切ったり、列を乱すような行いは非常に無礼とされており、「無礼討ち」またの名を「切捨御免(きりすてごめん)」と呼ばれる「その場で刀で切られても仕方がない」とされ、処罰されます。

大名行列を横切ってもいい職業が存在した

数ある職業のうち、たった二つの職業のみが、列を乱す行いをしなければ、列を横切っても良いとされていました。その職業が、飛脚と産婆さんです。

飛脚は現代でいうところの郵便屋さんや宅配便のような職業。産婆さんは現代でいう助産師さんです。

命に関わる産婆さんは分かるにしても、飛脚くらいであれば少し立ち止まっても問題はなさそうですが。また、医者が横切っても良い職業に含まれていないのはなぜなのかが分からないところです。