特許とは、ある発明に関する権利を一定期間独占しても良いとする権利です。裏を返せば新たに発見した技術や情報を他人に盗まれる事から保護しようという目的がそこにあります。年間で30万件以上もの申請がある特許。そんな特許の歴史上第一号はどんな商品なのでしょうか。

特許制度の始まり

欧米では既に特許制度が施行されていました。これをかの福沢諭吉が自著『海外事情外編』にて紹介、日本に持ち込んだ末、1885年4月18日に『専売特許条例』が公布されました。

特許第一号は「船底を浸食されるのを防ぐための塗料」でした。彫刻家であり漆工芸家である堀田瑞松によって、漆を主成分とした四種類の塗料を開発したのです。この塗料は見事に成功を収め、1885年7月1日に特許出願、同年8月14日に特許を取得しました。