タイトルを見て瞬時に「冷や汗あぶら汗と・・・」と思い浮かぶ人は間違いです。冷や汗もあぶら汗も同じ種類の汗なのです。

今回の雑学では、人間のかく汗の種類についてご紹介します。

発汗とは

汗をかく理由をすぐに答えられる方は多いでしょう。そうです、体温調節のためです。しかし実は汗をかいて体温調節を行う動物は、人間と馬だけと言われています。発汗により体温調節が行える機能は、実は凄く優れた機能なのです。これにより、人間はフルマラソンを完走するだけの持久力を持つことができ、さらに長距離を走り続けられる馬の持久力の源でもあるのです。

全く汗をかかないような日であっても、成人で約300ccもの量の汗を一日でかいているとされます。

汗をかかない動物の体温調節方法

犬やウサギなどを例に挙げてみましょう。これらの動物はいずれも汗はかきません。犬の場合は舌をハァハァさせることによって体温を調節しています。舌に溜まっている唾液を蒸発させて、体温を冷却させているのです。ウサギの場合は、耳をピンと立たせ、血管を外気にさらすことによって体温を調節しています。

発汗の種類の違い

上記の通り、体温調節のための発汗が一種類目の発汗です。二種類目の発汗、それもまた体温調節の発汗なのです。そして、三種類目の発汗は体温調節以外の発汗ですが、どういったものなのかを順に説明しましょう。

温熱性発汗

最もポピュラーな発汗です。運動をしたりすることにより、身体の熱を冷ます役割としてかく汗です。

味覚性発汗

熱いものや辛いものを食べた際に発する汗のことです。こちらも温熱性発汗と同様に、体温を調節する意味で発汗が行われます。

温熱性発汗と味覚性発汗はほとんど同じようなもので、人体の230万カ所に分布する「エクリン腺」という汗腺から滲み出てきます。

精神性発汗

緊張や不安、驚いた時、吐き気などの病気の症状が出ている時にかく汗のことです。こちらは「アポクリン腺」と呼ばれる汗腺から発汗します。冒頭で例に出した「冷や汗」と「あぶら汗」は、この精神性発汗に分類されます。

アポクリン腺は脇の下やヘソの周辺などに分布し、独特の臭いを持っています。多くの動物はこのアポクリン腺のみを持っている事が多く、その臭いはいわゆる「フェロモン」と呼ばれるものになるのです。