鵜飼い(うかい)は鳥の鵜を使った鮎を捕える漁の事です。日本では14の地域で鵜飼いがされていますが、その中でも岐阜県で行われている長良川鵜飼は特殊です。

長良川鵜飼の特殊性

鵜飼いの歴史は非常に古く、1400年前の書物にも記載があるほどです。鵜を操る人を鵜匠(うしょう)といいます。鵜匠は喉を縄で締められた鵜を使い、鮎を飲み込ませて漁を行います。喉が締められているため、一定以上の大きさの鮎は完全に飲み込むことが出来ず、それを吐き出させる事によって漁獲とします。漁を行う船の先端にはかがり火が設置され、照明の役割を担うとともに、鮎が光りに驚いて水面を跳ねさせる効果を持ちます。そこに鵜を向かわせて捕獲するといった具合です。

特に長良川鵜飼は日本で唯一、皇室御用の鵜飼であり、長良川の鵜匠は正式な職名を「宮内庁式部職鵜匠」いいます。1890年に鵜飼いの伝統を存続させる目的から、鵜匠に宮内省職員の身分を与えたのです。つまり鵜匠は立派な国家公務員ということになるのです。