いたるところにガラスが使われ、日常生活にはなくてはならない存在の物質である。ガラスは完全なる固体のように感じられますが、これが液体であるというのはどういった事なのでしょうか。

今回の雑学では、ガラスの考え方をご紹介します。

固体とは

物理学上、全てのものは固体、液体、気体に分かれます。小学校で習うような簡単な例で言えば、水という液体は氷点下以下で氷という固体になり、温度を上昇させると水蒸気という気体に変化します。

固体の定義を簡単に説明すると、流動することのない物体であると言えます。

ガラスも決して流動する事がないので、どうみても固体であるように思われますが、熱力学という分野では、ガラスは液体であるという扱いを受けます。

ガラスは液体

氷やダイヤモンドなどの鉱石、塩などの粒は固体ですが、顕微鏡で観察してみると、幾何学的な模様が格子状に並んでいるのがわかります。つまり結晶があるということです。

それに対してガラスは非晶質と呼ばれる固体で、結晶はなく、分子の並びはバラバラで不定形なのです。

結晶を持つ物質は、ある一定の温度に達すると溶けて液体になる溶融点がありますが、ガラスは熱すると徐々に柔らかくなっていく性質があります。

このことからガラスは「粘り気が極端に高くなり、流動しなくなった液体」という考え方があるのです。