「大きい真鯉(まごい)は、おとうさん。小さい緋鯉(ひごい)は、こどもたち」。童謡『こいのぼり』で唄われるように、こいのぼりは家族に例えられます。こいのぼりがどのようなものなのかは皆さんがご存知の通りですが、こいのぼりと一緒に、しかも一番上を陣取ってなびいているカラフルなものは何の意味があるのでしょうか。

吹き流しの役割

このカラフルな模様をしたものは「吹き流し」と呼ばれるものです。吹き流しは本来、風向きや風速などを目視できるためのものですが、こいのぼりの吹き流しに関してはもっと深い意味があります。

こいのぼりに使われる吹き流しは5色のものが一般的です。この色使いは「五色(ごしき)」と呼ばれ、古代中国の「五行思想」に由来しています。五行思想とは、万物は木・火・土・金・水の五つの元素からなるという考え方のことです。この五つ元素を5色に変換しているのです。

また、吹き流しは魔除けの意味も込められているという説もあり、子どもたちの安全な成長の願いが込められているのです。