カップ麺の小袋や納豆のタレなど、いたるところで使用されている「マジックカット」は、切れ目がなくても袋のどこからでも切れるという優れものです。

マジックカットの仕組み

開発に成功したのは旭化成のケミカル事業関係の関連会社である旭化成ポリフレックス(現・旭化成パックス)。当時の専務がビールとツマミを買って帰宅したものの、老眼のためにツマミのパックの切れ目が分からず、結局ビールを飲む羽目になったエピソードから、切れ目がなくてもどこからでも切れる製品を作ってくれと言われて開発に取りかかり、1987年に特許を取得し製品化されました。

この仕組みはいたってシンプルで、袋の端に0.5mmの小さな穴を0.5mm間隔で無数にあけているだけなのです。しかしその穴をあけるための刃を作るのには非常に卓越した技術が必要で、これができる職人は一人しかいないとのこと。そのため、他者からのスカウトを防ぐため、その職人の身元が旭化成の最大の企業秘密なのです。