宇宙飛行士が宇宙空間で安全に生存、活動するために着用する宇宙服。船内で着用する船内服と、船外活動時に着用する船外服に分類されますが、一般的に宇宙服というと船外活動時に着用される船外服を指します。この記事でも船外服を「宇宙服」としています。

宇宙服の機能性

宇宙服は安全面もさることながら、快適に船外活動を行うためにもあらゆる機能が備わっています。気密性と気圧の調整、動きやすさ、酸素の供給と二酸化炭素の除去、体温の調整、紫外線など宇宙線からの防護、外部との通信機能などが兼ね備えられています。

宇宙服は厚手の生地の服に、ランドセルのような機械を背負っている姿が特徴的ですが、この背中に背負っている装置は「船外活動ユニット(EMU)」といい、上記の機能を実現するための装置で、その重量は120kgもあります。サイズはM・L・XLの三種類しかなく、船外活動をする宇宙飛行士は165cm以上の身長を求められます。

この宇宙服は一着あたり1000万ドル、日本円にするとおよそ10億円かかると言われ、2017年現在で現存する宇宙服はなんと11着しかありません。