高温に強く錆ないことから水回りの配管などにも多様されるステンレス。さびに強いステンレスですが、実は既に錆びているのです。

今回の雑学ではステンレスの実態をご紹介します。

ステンレスとは

ステンレスは「ステイン(汚れ)」と「レス(無い)」の二つの単語を足した造語です。汚れがつきにくい、錆にくい事から付けられました。ステンレスは正式にはステンレス鋼といい、その歴史は少し浅く、1900年初頭に開発されたとされています。

錆とは

そもそも錆とはどういったものかを解説します。
ほとんどの金属は大気中の酸素と結びついた状態で存在しています。錆びる代名詞といえる鉄で解説してみましょう。鉄は酸素と結びついた鉄鉱石を原料に作られます。しかし作り出された鉄は、再び酸素と結合して鉄鉱石の状態へと戻ろうとします。これが金属の腐食であり、錆が発生する原因になります。

ステンレスがさびない理由

ステンレスは合成金属です。50%以上の鉄と10.5%以上のクロムを混ぜられて作られています。このクロムが腐食を防ぐための耐食性に優れており、ステンレスは錆びにくいのです。

しかし鉄とクロムは混ぜ合わせてしまうと、すぐに表面が酸化されて錆が発生します。しかしクロムの性質によって内部に錆を侵食する働きを止めてしまいます。この事によって非常に薄い膜が表面をコーティングしてくれるのです。

このコーティングはステンレスの独特の光沢を発生させているので、ピカピカと美しい金属に見えますが、実はその中身は錆とその侵食を防ぐクロムの力によって出来ているのです。