はひとつの国が起源で、そこから世界中に広まったわけではなく、様々な国で発祥しています。日本でも古くは和傘と呼ばれる傘が主流でしたが、現在では洋傘が一般的になっています。その昔、雨の日に洋傘をさしていた男性は周りから笑われていたと言われているのですが、それはなぜでしょうか。

洋傘の歴史

傘は紀元前から使用されていたとされ、エジプトやペルシャなどの彫刻画や壁画に、傘を使用している画が残っています。さらにヨーロッパでは傘は贅沢品であり、富と権力の象徴でした。遺言書に傘を誰が引き継ぐのかを書くほどだったのです。

現在のような開閉式の傘が開発されたのは、13世紀のイタリアのことです。材料には木材やクジラの骨が使われていました。これがスペインやポルトガルなどに広まっていったのです。

現在一般的に使われている傘と同じような構造をした傘が開発されたのは18世紀のイギリスのこと。傘は英語で「アンブレラ(Umbrella)」と言いますが、「影」の意をもつラテン語「アンブラ(Umbra)」が語源です。その言葉の意味の通り、当初は日傘として開発され、雨の日は傘をさす習慣がなく、濡れながら歩いていました。

雨の日に傘をさして歩いていた男性が周りから笑われていたとも言われています。男性は雨の日には帽子で雨を避けるのが当たり前で、傘をさす行為は変人扱いされてしまっていたのです。