学生服の上着の袖の部分には、校章などが刻印されたボタンが2、3個付いています。学生時代に学ランを着ていた方も多いでしょうが、このボタンに必要性を感じたことは一回もないはずです。一体なぜこの位置にボタンが付いているのでしょうか。

学ランの歴史

そもそも学ランの「ラン」とは、オランダを意味しています。江戸時代では西洋というとオランダというイメージがあり、海外から入ってきた学生服は「学ラン」と呼ばれるようになったのです。

学ランが登場したのは1870年代のこと。ロシアを攻めていたナポレオン軍が着ていたのが学ランタイプの衣類だったと言われています。ロシアを攻めていたこの時代は、とても寒い時期で、袖口で鼻水を拭く兵士が多かったのです。

美意識が高かったといわれるナポレオンは、服の袖で鼻水を拭き取る姿が我慢できませんでした。そこで、鼻水を拭けなくするように、袖口にボタンを着けたのです。

つまり袖のボタンそのものには利用用途はなく、鼻水を拭き取るのを防止するためだけに付けられたものなのです。