夏目漱石の有名な小説『吾輩は猫である』。この小説の冒頭は「吾輩は猫である。名前はまだ無い」で始まります。この小説のモデルとなった猫は、実際に漱石が飼っていた猫だと言われています。

今回の雑学では、漱石の猫についてのエピソードをご紹介します。

漱石は猫が好きではなかった

漱石は特に猫が好きというわけではありませんでした。特に漱石の妻は猫が嫌いだったそうです。しかし漱石の家には一匹の野良猫が追い払っても追い払っても上がり込んで来たのです。仕方なく漱石夫婦は猫を飼うことにしました。

飼うことを決意したにも関わらず、名前を付けられることはなかったようで、呼ぶときは「猫」と呼んでいたのです。

しかし愛情がなかったわけではなく、引っ越しの際にもしっかりと連れて行き、死後は墓を作ってもらった上に追悼の句を詠んでもらっています。何より小説の主人公にしてもらったのですから、さぞ幸せな生涯だったことでしょう。