ヨーロッパに位置するバチカン市国は、総面積0.44キロ平方メートル、人口わずか800人程の世界で最も小さい国として有名です。しかしその世界一に異議を唱える国が現れました。

世界最小の国

その国の名は「シーランド公国」。イギリス南東部、サフォーク州の海岸から10km離れた沖合いに浮かぶ構造物を、領土と主張する“自称”国家。そう、あくまでも“自称”であり、国連に加盟する193ヶ国とバチカン市国を含めた計194ヶ国では、この領土を国と認めてはいません。

シーランド公国は海上に浮かぶわずか0.00055キロ平方メートルしかない構造物で、現在の人口は4人しかいません。この構造物は第二次世界大戦中の1942年に建造が開始され、戦時中は150〜300人ものイギリス海軍が常時駐留する海上要塞として造られたのです。

戦争が終結し、廃棄されていたこの要塞を、1967年に元イギリス陸軍少佐のパディ・ロイ・ベーツによって不法占拠され、独立宣言を発表、要塞を「シーランド公国」と名付け、自らをロイ・ベーツ公と名乗り始めたのです。

しかし前述した通り、誰も国とは認めていないため、幻の世界最小国となっているのです。