船を操縦する際には、丸いハンドルのようなものをクルクルと回します。その際に「取舵(とりかじ)いっぱーい!」「面舵(おもかじ)いっぱーい!」という掛け声を耳にします。

どっちがどっち?

「取舵」は進行方向を左に向けることで、「面舵」は右に向けることを指します。しかしそもそもなぜ分かりづらい「取舵」と「面舵」などという言葉を使うようになったのでしょうか。

昔の人は、方角を表すのに干支を用いていました。「取舵」は酉(とり)の方角に進路を向けることから「酉舵」が「取舵」に変化したのです。

一方の「面舵」は、卯(う)の方角に進路を向けることから「卯の舵」と呼ばれていましたが、それが徐々に転化して「おも舵」と発音するようになったのです。