現代では「追い込まれて出した苦し紛れの作戦」といった意味合いで使われる事が多い言葉ですが、本来の「苦肉」とはどのような作戦の事を指しているのでしょうか。

苦肉の策とは

「苦肉の策」という言葉は一世紀の中国における、戦争の戦術を書いた『兵法三十六計』という書物に登場します。この書物はその名の通り、36種類の戦術が記述されたもので、苦肉の策はその34個目の戦術として書かれています。

この書物によると、「人間は自分自身を傷つけることはしない。害を受けたのであれば必ず他人から受けたものだ」という心理にもとづいた、敵を騙すために用いられた戦術のことを指しているのです。つまりは現代における偽装工作やその工作員としての立ち回る事を、「苦肉の策」と呼んでいたのです。