牛には胃袋が4つもありますが、消化能力は非常に低い動物です。では一体どのようにして食べ物を消化しているのでしょうか。その答えには驚きの数字が隠れていました。

今回の雑学では、牛の消化に関する豆知識をご紹介します。

牛の胃袋の役割

牛には4つもの胃袋が存在し、それぞれ役割が分担されています。食べ物の分解、吸収をする胃や、消化を担当する胃などです。しかし牛の消化能力は低いため、噛んでは飲み込み、それをまた口の中に戻しては噛んで飲み込む。を繰り返しています。こういった行動を反すうといい、ヤギや羊なども反すう動物の仲間です。

この反すう時に、牛はなんと100~180リットルの唾液を分泌します。一般的な家庭の浴槽が200リットルの許容量なので、その浴槽にいっぱいの唾液が貯まることになります。

ちなみに人間も意外と唾液の分泌量は多く、1日で約1リットルの唾液を分泌します。

牛は微生物と共存している

牛の消化能力の主な原因は、胃の中にいる微生物です。この微生物の数が、胃液1ミリリットルあたり1億匹もいるというから驚きです。この微生物は草などの餌を分解してくれるのです。

餌を分解する際に発生する脂肪酸によって微生物は死んでしまうのですが、牛の唾液はアルカリ性で出来ているため、酸性を中和して微生物が死なないように調整されます。

微生物によって分解された餌が、第4の胃に到達して初めて胃酸によって消化されるのです。