カブトガニは、その姿が兜に似ていることから名付けられました。取り立てて何の役にも立たず、体だけは大きく、漁の網を破ってしまうなど、古くからあまり好かれてはいなかったようです。現在は天然記念物に指定されているカブトガニですが、昔は普通に食されていたのです。

カブトガニの味

日本では、主に田畑の肥料や釣りの餌、家畜の飼料として使われていました。食用としていたのは中国やタイなどアジア圏の外国で、日本でも山口県下関などの一部地域で食用に用いていたこともあったようです。

しかしその味は「体の大きさの割に身が少なく、美味しくはない」という文献が残されています。また一部の近縁種には、フグの毒として知られるテトロドトキシンを持っており、食用には適しません。食中毒事件も多数報告されており、危険をおかしてまで食べる必要のない生き物であることが分かります。