スーパーの鮮魚コーナーや寿司屋など、日本では生の魚の切り身を目にする機会が多いです。

魚には当然のように赤身魚白身魚に分かれていますが、なぜ同じ魚類で身の色に違いがあらわれるのでしょうか。

今回の雑学では、の身の色がどうやって決まるのかをご紹介します。

魚の身は筋肉

魚の身は人間でいうところの筋肉にあたります。筋肉は速筋、中間筋、遅筋の3つの筋繊維が混ざり合って形作られます。

速筋は瞬発力や爆発的な力を発揮するのに必要な筋肉で、人間でいえば体操選手や短距離走、やり投げ、砲丸投げのような、パワーを主とした行動に活かされます。

遅筋は大きな力を出すことはできませんが、代わりに持久力に優れています。

魚の筋肉も、その生態によって必要な筋肉の種類が違うのです。

身の色は魚の生き方で決まる

タイやヒラメなどの白身魚は近海に生息しています。川魚も同様ですが、浅瀬や入り組んだ地形に身をひそめる彼らは、素早い身のこなしで外敵からの攻撃を回避しています。

長く泳ぎ続けるわけでなく、さらに瞬発力が必要なために速筋が発達するのです。

マグロやカツオなどの大型種から、アジなどの小型種まで、赤身魚の特徴は群れをなす回遊魚であるということ。ひたすら泳ぎ続けなければいけない彼らは、遅筋が非常に発達しています。

筋肉を動かすためには酸素が必要不可欠です。筋肉の中にはミオグロビンという色素タンパク質があり、酸素を筋肉に運んでくれる役割を担っています。

遅筋が発達するほどミオグロビンの密度が高くなり、ミオグロビンの色素に含まれる赤色が筋肉にあらわれるのです。

ちなみに他の動物の身の色が赤いのも、このミオグロビンによるものです。