産まれたばかりの子ライオンを崖の上から落とし、這い上がって来た子ライオンだけを育てるという話を耳にしたことがある方もいるでしょう。しかし実際にはオスのライオンは子ライオンを容赦なく皆殺しにすることがあるのです。

なぜ子どもを殺すのか

ライオンはメスライオン、子ライオンと共に一定数の群れをなして生息しており、非常に縄張り意識の強い動物です。イヌやネコなどと同じように、周囲に尿をして臭いを付けたりすることで縄張りを主張します。この縄張りの中で、群れはいくつかのグループに分かれて生活をします。

子ライオンが成長すると、それがオスライオンだった場合は生後3年ほどで群れから追い出されてしまいます。追い出された子ライオンは別の群れを乗っ取り、合流します。この際に乗っ取った群れにいる子ライオンを皆殺しにするのです。

子ライオンを殺し、力を誇示することで群れにいるメスライオンを惹き付け、同時に生存するための競争相手を少なくすることで、自分の子孫をより多く残すためと考えられています。