光合成を簡単に説明すると、太陽の光を受けて水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を合成する働きのことをいいます。この光合成は植物だけの特権であると、学校の授業で習った気がしますが、実は光合成ができる動物が存在するのです。

光合成をできる動物とは

その動物とは、一部のウミウシの種族です。ウミウシはまるでナメクジのような姿をしていることから、英語名では「シー・スラッグ(海のナメクジ)」と呼ばれます。例えばアメリカの東海岸にのみ生息するエリシア・クロロティカというウミウシはまるでレタスなど葉っぱ類の野菜の葉のような姿をしており、その姿の通り光合成に必要な葉緑体を持っているのです。

しかしいくら動物界の世界が広いからといって、生まれながらにして葉緑体を持った動物はいません。このウミウシは海中の藻類を食べることで、普通は消化してしまう葉緑体を自らの体に取り込むことができ、光合成を可能にする体を作り上げるのです。

光合成ができるようになったウミウシは、最長で1年程度の期間を光合成だけで生き延びることができるとされます。