人間の肋骨(あばら骨)は片側に12本ずつの計24本あります。肋骨は肺や心臓などの臓器を、外部の衝撃から守る役割をしています。そして一見すると人間には存在しない骨で作られているであろうカメ甲羅もまた、人間でいう肋骨でできています。

カメの肋骨

カメの甲羅は肋骨と背骨がくっついて板状になった「骨甲板」でできているのです。そして人間には背中側に肋骨を覆う形で肩甲骨があります。この肩甲骨は肋骨の外側にあります。カメにも肩甲骨が存在しますが、人間のそれとは違い、肋骨の内側についています。これは極めて特殊であり、脊髄動物の中で肋骨の内側に肩甲骨がある生き物はカメだけです。

人間などの生き物の肋骨は、胸の形状に沿って湾曲していますが、カメの場合は真っ直ぐに伸びます。すると、成長の過程で肩甲骨は肋骨の内側に位置し、肋骨が甲羅になるという進化を遂げたのです。