映画だけに限らず、その他のフィクション作品全てにいえることですが、物語の中で電話番号が映し出されるシーンをよく見かけます。この際に日本では電話番号を全て映さなかったり、番号を入力する途中でシーンが切り替わったりします。しかし多くのハリウッド映画では、電話番号を全て映してしまうのです。

ハリウッド映画と電話番号

本格的な映像作品であればあるほど、その映し出された電話番号が桁数が足りなかったり、XXXなどと表示されていたりと小細工がされていたら、感情移入していた気持ちが冷めてしまいます。しかしハリウッド映画で使われる番号は、そのような小細工はされていません。

例えば名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、主人公の恋人から紙に書いた電話番号を渡されるシーンがあり、そこにはハッキリと「555-4823」と書かれています。これを念頭に置いてハリウッド映画を見ていると「555-XXXX」と、局番が555から始まる電話番号ばかりなことに気が付きます。

これは、実は架空の番号であり、映画などで使用するためだけに設けられた、いわばハリウッド映画専用の局番なのです。それゆえ、もちろんこの番号に電話をかけてもどこにも繋がりません。しかし作品にリアリティを持たせるためだけに局番を用意するあたりが、映画大国ならではです。