手塚治虫の代表作の一つである『ジャングル大帝』。その主人公であるライオンのレオは、一見するとライオンに見えない真っ白な毛色をしています。確かにホワイトライオンというものは実在しますが、実はこれは作者である手塚治虫のうっかりミスから生まれたのです。

レオは白いはずではなかった

ある時、手塚治虫のもとに動物の絵本の絵を描いて欲しいという依頼が舞い込みました。そこで様々な動物を描き、その中にライオンもいました。作業は夜に行われ、ライオンを黄色っぽい色で着色しました。しかし翌朝になって確認してみると、黄色く塗ったはずのライオンが真っ白になっていたのです。

夜に作業をしていた手塚治虫は、黄色っぽい電気の色のせいで絵の具の色を間違えてしまったのです。結局、絵本の企画はそれ自体がボツになってしまいましたが、白いライオンの魅力に気づいた手塚治虫は、そのキャラクターをそのまま漫画に活かし、大成功を納めたのです。まさに失敗は成功のもととなったのでした。