ノルウェーが生んだ天才画家、エドヴァルド・ムンクの代表作である『叫び』。ノルウェーのフィヨルドを舞台に、真っ赤な夕焼けと歪な人物が描かれたこの作品。ムンクは生涯にわたり同じ構図、同じタイトルで5度も『叫び』を描いています。さて、この中心にいる人物は何をしているのでしょうか。

ムンクは叫んでいない

この絵はムンクが感じた幻覚に基づいており、ムンクはそのときの体験を「自然を貫く果てしない叫びを聴いた」と記しています。つまりあの有名な人物は、叫んでいる様子を描かれたのではなく、果てしない叫び声を聞いて恐怖を感じ、耳を塞いでいる状況を描かれたものだったのです。