お菓子作りから料理まで幅広い分野で使用されるバターですが、元々は食用として使われていたわけではなかったのです。

今回の雑学では、世界中でバターがどのように使われてきたかをご紹介します。

バターは長い歴史を持っている

バターは牛乳の油分が分離して出来たクリームを固形にして作るものですが、初めてバターが作られた記録は残念ながらあまり明確ではありません。一説によると、遊牧民が移動の際に持ち歩いた牛乳から、偶然バターが出来上がっていたという記録があります。これが初めてバターが作られた出来事なのかは定かではありませんが、少なくとも紀元前2000年頃には既に作り方が確立されていたと思われています。

これがヨーロッパ地方に伝えられると、兵士や動物の傷薬として塗って使われたり、整髪料、ランプの油としても使われていました。つまり食用で使われることは一切なかったのです。

ところがヨーロッパ地方では、寒さから食べ物が作られず、深刻な飢餓状態が続くことがありました。その時、空腹のあまりに普段は全く口にすることのないバターを食べてみたところ、初めてその美味しさに気付いたと言われています。

そんなバターが日本に伝えられたのは江戸時代のこと。ヨーロッパと同じく将軍などの傷薬として使われていましたが、食用になったのはなんと明治時代に入ってからで、日本での歴史は意外と浅いのです。