泡立てた卵に小麦粉、砂糖を加えてオーブンで焼きあげればカステラのできあがり。シンプルで簡単に作れるカステラは、16世紀の室町時代にポルトガルから日本へ伝わったとされます。歴史的に見ても舶来品であることに間違いのないカステラですが、現代では和菓子に分類されるのです。

カステラがなぜ和菓子?

和菓子とはつまり、日本で誕生したお菓子のことを指します。なぜポルトガルから伝わったはずのカステラが洋菓子ではなく和菓子に分類されるのでしょうか。

じつはカステラそのものが伝来されたのではありません。ポルトガルから伝わったお菓子は「南蛮菓子」と呼ばれ、代表的なものではコンペイトウやアメ、ビスケットやタルトなどがあります。

ポルトガルにはカステラというお菓子は存在せず、あくまでも南蛮菓子をもとに改良が加えられて誕生した、れっきとした日本発信の和菓子なのです。カステラの原型とされる南蛮菓子は、その見た目も製法も全く異なるものであることがわかっています。