相撲取りは食べることも稽古のうちと言われ、屈強な肉体を作り上げるために常人では考えられないほどの量を食べます。そんな相撲取りの食事といえば、何と言っても「ちゃんこ鍋」でしょう。各相撲部屋には秘伝のレシピがあり、それぞれの部屋で自慢のちゃんこ鍋があるといいます。

ちゃんこの意味

明治終盤から、一度に大量に調理でき、栄養のバランスが良く、加熱しているために食中毒などの心配も薄く、鍋を囲むことで連帯感も生まれるという理由から、各相撲部屋では鍋料理が広く取り入れられるようになりました。ちゃんこ鍋はちゃんこ長の指揮のもと、ちゃんこ番と呼ばれる当番の力士が作ります。

財団法人日本相撲協会が監修している『相撲大事典』には、「力士が作る料理、また、力士が食べる食事を総称して『ちゃんこ』という。」と記載があります。

本来は「ちゃんこ」は「ちゃんこ番」の力士が作る手料理全てを指す言葉なのです。しかしいつしかちゃんこ料理の代名詞が鍋料理になると、ちゃんこ=ちゃんこ鍋という方程式が出来上がってしまいました。それゆえ、ラーメンでもカレーライスでも、ちゃんこ番が作った料理は全て「ちゃんこ」と呼ばれるのが正しいのです。