ブドウの表面には白い粉のようなものができていることがあります。カビや汚れ、農薬だと思ってよく水洗いして落としている方も多いようですが、実はこれはブドウの美味しさの表れなのです。

白い粉の正体

この粉のようなものは「ブルーム」と呼ばれ、果実に含まれる脂質から作られる、天然のろう物質なのです。果実や植物の表面には「クチクラ」という膜があり、これにより水分をはじくことで細菌や病気になりにくくしています。このクチクラの成分であるクチンには極細の隙間があり、その隙間からブルームが押し出されるように生成されます。ちなみにリンゴでは、触るとベタベタした質感を感じることがありますが、これもブルームなのです。

ブルームがある状態は新鮮かつ食べ頃のサインであり、ブルームが残っているということは何度も人の手に触れず、丁寧に扱われた果実であるということも言えます。