旅館や和食のお店に行くと、皿と料理の間には何やら大きな葉っぱのものが挟まれている場合があります。刺し身や焼き魚などに緑色を添えることによって彩りを鮮やかにし、美味しそうに見える効果があります。しかし用途はこれだけではありません。

自然の知恵

皿や器に盛り付けられた料理をより美味しそうに引き立たせるための花や植物や野菜などのことを「あしらい」と呼びます。このあしらいの中でも、魚の下に敷くような葉っぱのことを「かいしき」と呼びます。さらに細かい分類では、葉っぱなどの植物に対しては「青あいしき」、天ぷらなどの下に敷いてある紙素材のものは「紙かいしき」と呼ばれます。

青かいしきは季節に合わせたものを使うことが多く、和食の美しさをより際立たせます。しかし本来は料理に対しての抗菌・防腐という目的で添えられていたのです。

植物の葉には抗菌作用を持つものがあり、まだ冷蔵庫や冷凍庫がなかった時代では、出来る限り食材を傷めないためという目的で植物の葉が用いられていました。