お茶漬けは米の上に具材を乗せ、お湯やお茶などの出汁となるものをかけた非常に手軽な食事です。戦国時代を代表する武将である織田信長も、短時間で食べることのできるお茶漬けを好んでいたというエピソードもあります。

超高級茶漬け

お茶漬けの歴史は古いですが、特に江戸時代には番茶や煎茶が広く普及したことにより、庶民に流行していました。お茶漬け専門店なども登場したことにより、現代でいうファストフードとしての位置にいる食事だったともされます。

そんな中、江戸時代に最も成功したとされる高級料亭の「八百善」では、お茶漬け一杯を一両二分で提供していました。この金額は現代で約10万円の価値になります。

米とお茶にこだわっていたことはもちろんの事こと、使用する水も多摩川の上流水を使用するというこだわりがありました。それだけにとどまらず、この水は注文を受けてから飛脚を走らせて採取させるという徹底ぶりで、お茶漬けの完成までは半日を要したとされます。