玉子巻きやカッパ巻き、太巻きにいなり寿司など、魚や肉以外をネタに使用した寿司のことを「精進寿司」や「助六(すけろく)寿司」と呼びます。日持ちもしやすいのでコンビニなどでも販売されることが多いですが、なぜこのような呼び名になったのでしょうか。

助六寿司の由来

精進寿司の「精進」は、精進料理の精進と同じ意味です。仏教において煩悩への刺激を避けることを目的として作られてきた料理で、動物性の食材を使用していないため、私たちが普段口にしている料理からすると、とても質素に感じます。

そして助六寿司の「助六」とは、歌舞伎の十八番である「助六由緣江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の演目名と、その主人公である「助六」が由来になっています。主人公の助六が紫色のハチマキを巻いている姿を海苔巻きに例え、助六の愛人である揚巻(あげまき)の名から、お揚げが使われているいなり寿司に例えられました。

そもそもなぜ登場人物が寿司に例えられるようになったのかというと、歌舞伎の演目の中でも大人気だった「助六由緣江戸桜」の人気にあやかれるようにという願いが込められているのです。