禅宗の修行僧が始めた精進料理は、仏教の戒律によって煩悩への刺激を避けることを目的とされています。その料理は、野菜や豆などの植物を主に食材にしたメニューになっています。しかし実は野菜なら何でも大丈夫、というわけではないのです。

煩悩への刺激はご法度

精進料理では「三厭五葷(さんえんごくん)」の食べ物を取ることは禁じられています。

肉・鳥・魚は殺生にあたるとされるので当然ながらご法度です。これが「三厭(さんえん)」です。この戒律を守らない坊主を「生臭坊主」と呼んだりもします。では野菜だけ食べていれば問題ないのかと思えば、それも間違いです。

「五葷(ごくん)」とは、ニラ・ネギ・ニンニク・ショウガ・タマネギの5つで、いずれもネギ属に属しており、香りの強いことが特徴です。これらの食材には滋養強壮の効果があり、煩悩を刺激することで修行の妨げになるという理由から、食べてはいけない食材になっているのです。