ふとアナログ時計に目を移した瞬間、「あれ?時計が止まってる?あぁ、動き出した」となったことはありませんか?これは目を移動させた際に、最初の一秒が極端に長く感じる現象の事で、しっかりと正式名称があるのです。

なぜ時が止まったかのように思えるのか

この文章を見ている間も、目は左から右へと小刻みに動き続けています。一点を集中しているようでも、眼球の筋肉は絶えず動いているのです。これはサッカードと呼ばれる運動で、この運動のおかげで静止した映像を見つめても、視覚が働き続けてくれていると言われます。

眼球がサッカード運動をするとき、時間の認識はわずかに伸びるとされます。この時間が伸びると錯覚する現象の正式名称を「クロノスタシス」といいます。目線を移動する毎にサッカード運動が起こっているということは、その度にクロノスタシスが起こっているのですが、人間はその現象に気付くことはありません。

ではなぜ、ふと時計を見た時に限って一秒間が長く感じるのでしょうか。

それは秒針が動いた直後から目線が止まった瞬間までの間にサッカード運動が起こり、視野が動いた瞬間の情報を、その後の秒針が止まっている情報で時間をさかのぼって時間の隙間を埋めるためと考えられています。

つまり、目線を動かした瞬間の非常にわずかな時間の情報を脳が感知できず、その隙間を埋めようと、目線が止まった先の映像で穴埋めしているために、クロノスタシスが起こるのです。