女性はただでさえ赤いくちびる)に、真っ赤な口紅を塗ります。赤い唇は美しさの基本なのかも知れません。そんな唇がチャームポイントという方も少なくないでしょう。そこでふと疑問に思うのが、なぜ顔のパーツの中で唇だけが赤いのかという点です。

唇の色は何の色?

皮膚は表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層から組織されています。普通の皮膚では「皮脂膜」という膜が表皮の上を覆っていますが、唇の場合にはこの膜がありません。また、唇の場合は皮膚の一番上にある「角層」と呼ばれるが非常に薄くなっています。角層は外からの光を反射することで、覆っている組織を守る役割をしていますが、唇は角層が薄いために、真皮にある毛細血管の中を流れている血液の色が反映して赤く見えるのです。つまり唇の赤さは血液の色なのです。

海やプールなどから上がると、寒さで唇が紫色に見えることがあります。これは真皮の血管が細くなって血流が悪くなるからです。お年寄りの唇の色が薄いのも、加齢によって血管が細くなって血流が悪くなるからです。