上京して一人暮らしをしている子どもに、実家で採れた野菜と一緒に手紙を添える、ということをしている方も多いと思います。しかし安易に宅配便の中に手紙を同封すると、罪になってしまう場合があるのです。

手紙は郵便局の独占サービス

手紙などの信書は、郵便(日本郵便)で送らなければならないと郵便法で定められています。信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示した文書」であり、手紙の他にも領収書や表彰状など様々な文書が信書に当てはまります。そしてその郵便法には、郵便局以外での配送業者が信書を送ることを禁じており、信書を預けた側も預かった側も、最悪の場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されてしまいます。

しかし同法同条には「貨物に添付する無封の添え状または送り状はこの限りでない」との記述もあります。つまり前述した例であれば、「実家で採れた野菜を送ります。健康には気をつけて」といった文書であれば、添え状扱いとなり、信書には該当しません。例えば「野菜を送ります。今度あなたの幼なじみの◯◯ちゃんが結婚するようです。あなたも連絡してみてはどうですか」などといった文書であると、信書に該当してしまう可能性があります。さらにこれらの手紙は“無封”、つまり封をしてはなりません。

このように郵便局が信書の配送を独占しているのは、「安い料金で、公平に提供する」という背景があり、国は日本郵便に対して、郵便サービスの提供を続けることを義務付けているのです。