電柱から電柱へと伸びる電線をよく見てみると、ピンと張ってはおらず、少したるんでいるのに気が付くでしょう。たるませることでケーブルの長さも多目に必要になるため、費用が高くついてしまいそうですが、これにはちゃんと理由があります。

電線をたるませる理由

電線をピンと張った場合の線を「想定線」と言います。想定線と実際にたるませて張る線の差を「弛度(ちど)」と言います。この弛度の差が少なければ少ないほど、電柱には大きな付加がかかってしまうのです。

例えば太めのロープか何かを両手を伸ばした状態で持ってみてください。ピンと張ったのとたるませて張ったのでは腕にかかる重さが全然違う事に気が付くでしょう。

電線に使われるロープはかなり重たいものですので、左右の電柱に均一に力が分散されるように、緻密に計算されているのです。