俳句は5・7・5の言葉で作られる、世界最短の定型詩といわれています。定型詩とは、決まった文字数で詩を作ることです。5・7・5で詠われる日本の定型詩には「俳句」と「川柳」の二種類がありますが、違いは何なのでしょうか。

情緒があるか、思いをのせるか

松尾芭蕉が詠んだ最も有名な俳句の中に「古池や蛙飛びこむ水の音」という句があります。「古い池に蛙が飛び込む音が聞こえてきた」という単純な句ですが、この中には俳句のルールを踏まえた上で、風情や情緒を伝えているのです。その俳句のルールというのは以下の二点です。

  • 季語 – 季節を表す言葉を必ず入れる
  • 切れ – “切れ”が存在する

「季語」というのはよく聞く言葉かと思います。一方の「切れ」というのは、「かな」「や」「けり」に終わる言葉で、言葉の区切りを表しています。

川柳というのは季語や切れが存在せず、5・7・5の中に収まりさえすれば良く、思いのたけをストレートに表現し、余韻を残さない表現方法の事をいうのです。