国内において最も製造数の多い硬貨である一円玉。昨年2014年には1億6千万枚もの一円玉が製造されました。

今回はそんな一円玉の知られざる変革と真実についての雑学です。

浮き沈みの激しい一円玉人生

消費税が5%の時代では、端数が0または5円になることが多かったため、硬貨の需要が激減したことにより製造量が減少。最も製造が少なかった年ではおよそ800万枚と、昨年度の10分1にすら満たないほど製造量が抑えられていたのです。

2010年を過ぎると電子マネーの普及に伴って硬貨自体の流通量がさらに減少。2011年から2013年なかばまでの間で、ミントセット(※)を除く一般流通用の一円玉は一枚も製造されていないのです。
※ミントセット:コレクション用途で発行される貨幣のセットの事

2014年4月から消費税が8%に引き上げられることに伴い、一円玉の需要が高まることが予想され、2013年なかば頃からようやく製造が再開されました。冒頭でも述べたように、昨年2014年では1億6千万枚もの製造が行われるまでになったのです。

一円玉は一円にあらず

一円玉の原料はアルミニウムです。現在では一円玉を1枚製造するにあたり、3円の費用がかかるとされています。これは一円玉を1枚製造するために、3円分のアルミニウムが必要であるからです。

アルミニウムなど、金属の価値は変動するものですが、2003年度では1枚製造あたり14円の費用がかかっていたのに対し、2011年度では1枚製造あたり0.2円の費用となるなど、その変動は激しいです。

昨年1億6000万枚の製造に関しても、1枚の製造に3円、差し引き2円の赤字となるので、3億2千万円もの赤字を国が負担している計算になります。