「あー、あー、本日は晴天なり」は無線やマイクテストで発せられる言葉で、無線局運用規則第39条及び第14条第1項、別表第4号にて定められている無線用語です。その時の天候に関係なく、必ず「晴天なり」と言わなければならないのですが、なぜこの言葉が使われるようになったのでしょうか。

本日は晴天なり

これは、英語のマイクテストで使われていた「It’s fine today」をそのまま日本語に直訳したことに初まります。「It’s fine today」という言葉は、その発音の中にマイクでは拾いにくいとされる破裂音や摩擦音などの音が一通り入っており、さらに低音から高音まで周波数の幅が広くなっており、マイクのチェックに最適な文章なのです。文章そのものに意味はありませんが、その発音に意味があったのです。

この言葉を「本日は晴天なり」と日本語に訳してしまったものであり、当然この日本語の文章にはマイクテストに適した音や周波数が含まれているわけではなく、その文章の内容と同じくマイクテストには意味のない言葉となってしまっているのです。