食事の際に使用するテーブルナイフはどれも先が丸くなっています。危なくないようになのか、皿を傷つけないためなのか、理由はいくつか考えられますが、その起源はまさかの理由でした。

マナー違反を追放するため

食事に使うテーブルナイフだとしても、調理に使う包丁と同様に、先が尖っている方が食材を切りやすく、食べやすいはずです。実は昔の洋食では、テーブルナイフは包丁と同様に先が尖っていました。テーブルナイフの先が丸くなったのは1630年頃と言われています。その理由はテーブルマナーが悪い者たちへの配慮でした。

当時、公式の食事の場であっても、食後に尖ったナイフの先端部分で歯を掃除する、つまり爪楊枝代わりに使用するマナーの悪い者たちが多かったと言われます。そこでフランスのルイ13世は、来客を叱りつけるわけにもいかないという事で、ナイフの先端を丸くするように指示し、爪楊枝の代わりとして使えないようにしたのです。

この貴族の様式に習い、現在でも先を丸くしたテーブルナイフが使用されているのです。