世間を揺るがす凶悪な犯罪への判決など、「あの事件の結末はどうなったのだろう?」と疑問に思うことが多いです。しかし日本の裁判はテレビで中継されることもなければ、録画や録音は一切禁じられています。

裁判の記録

裁判の公開は憲法で定められており、原則として誰でも傍聴することが可能になっています。重要な裁判ともなると、朝早くから傍聴席の確保のために長蛇の列が組まれることも珍しくありません。今やインターネットの時代で、裁判の中継も簡単に配信することができますが、それを行わないのには大きく二つの理由があります。

一つは被告人などに対する圧力です。カメラが回っていると感じると、精神的なプレッシャーや緊張などから、被告人や証人が不必要に萎縮してしまう可能性があるからです。これでは重要な証言などが回収できなくなってしまう危険性が考えられます。

次に法廷秩序を保つためです。カメラのテープチェンジなどの機材をいじる雑音などが、裁判の妨げになる可能性があります。

これらのことを考慮し、裁判の場ではメモとスケッチのみが許可されているのです。