地球上で最も硬い物質として、長い間ダイヤモンドが君臨していました。物質の硬さを表す「モース硬度」で最大評価の10を獲得しているダイヤモンドよりも、さらに硬いとされる物質があるのです。

ダイヤモンドよりも硬い物質

モース硬度とは「ひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「叩いて壊れるかどうか」の基準ではありません。身近なものでいえば、人間の爪や象牙は2.5、釘が4.5、ナイフの刃が5.5など、あらゆるものにモース硬度は定められています。そして9と10の間は大きく差があることが特徴的で、ダイヤモンドがいかに硬い物質であるかが分かります。

しかしそんなダイヤモンドよりも硬い物質が存在するのです。それが「ロンズデーライト」という物質です。ロンズデーライトは、結晶の構造から「六方晶ダイヤモンド」とも呼ばれています。このロンズデーライトは、ダイヤモンドよりも約1.5倍も硬いとされ、それまでダイヤモンドが君臨していた圧倒的地位を揺るがしたのです。

しかしじつはロンズデーライトが世界一の硬さを誇っているわけではありません。それよりもさらに硬い物質が存在するのです。それが「ウルツァイト窒化ホウ素」です。

基本的な構造はダイヤモンドとほぼ変わりませんが、科学的な結合が加わることによって、ダイヤモンドよりもさらに硬度を増した物質となってしまったのです。この物質は火山性の残留物から得られる物質で、現在地球上で最も硬い物質だといわれています。